○鹿島地方事務組合宅地開発事業の適正化に関する消防水利の審査基準

平成21年4月1日

消本訓令第44号

(目的)

第1条 この基準は,鹿島地方事務組合の構成市長が,都市計画法(昭和43年法律第100号)第29条に基づき,同意をするに当たり,宅地開発に伴う消防水利の意見を求められた場合,その審査に必要な事項を定めることを目的とする。

(基準の適用範囲)

第2条 この基準は,管内において,宅地開発される面積1,000m2以上の開発行為に伴う消防水利を設置する場合について適用する。

(消防水利の種類)

第3条 消防水利とは,消防水利の基準を定める告示(昭和39年消防庁告示第7号。以下「水利基準」という。)第2条第2項第1号,第2号第3号第4号第5号第6号第7号第8号第9号に規定する公設又は私設の水利をいう。ただし,第4号から第9号に規定する水利は消防ポンプ車が容易に部署でき,かつ,水位の変化の著しくないものとする。

(消防水利の能力)

第4条 消防水利は,水利基準第3条第1項,第2項第3項の能力を有するものでなければならない。

(消防水利の配置)

第5条 消防水利の配置は,水利基準第4条の規定に適合するものとする。

(消防水利の設置等)

第6条 消防水利を設置しようとするときは,水利基準第6条の規定によるもののほか,次の各号に掲げる要件を満たしていなければならない。

(1) 消防ポンプ車が容易に部署出来る位置で,消防活動上支障がない位置であること。

(2) 消防水利は,公道又は公道に通ずる幅員の広い通路に接近していること。

(3) 防火水槽にあっては,水槽上部から底部に至る壁体内側に点検昇降用の金属製ステップ(腐食に耐えられるもの)を設置すること。

(4) 消防水利を設置した場合は,所定の水利標識を設置すること。

(5) 防火水槽を設置したときの充水は,設置者がこれを行うこと。

(6) 防火水槽と消防用設備等の水源の兼用は,原則として認めない。

(消防水利の管理等)

第7条 消防水利は,公的又は私的管理を明確にし,消防水利として常時使用できる状態に維持管理しなければならない。

(消火栓の規格)

第8条 消火栓は,次の各号に掲げる要件に適合していなければならない。

(1) 消火栓の型式は地下式とすること。ただし,立管式にあっては周囲の状況から判断し適当と認められるものに限るものとする。

(2) 地下式消火栓の壁枠及び上蓋は,コンクリート製又は金属製とし,かつ,車両等の重量に耐えられる構造とすること。

(防火水槽の規格)

第9条 有蓋及び無蓋防火水槽は,次の各号に掲げる要件に適合していなければならない。

(1) 形状等

 40m3以上の空地用有蓋型及び無蓋型(以下「Ⅰ型」という。)にあって地下式又は半地下式(地表面上の高さは,50cm以下であること。)40m3以上の道路用有蓋型(以下「Ⅱ型」という。)にあっては地下式のものであり,かつ,漏水のおそれのない構造であること。

 一槽式であること。

 集水ピット(消防用水の有効利用をはかるため,水槽の底部の一部に設けられる取水部分をいう。)を有していること。

 水槽底の深さは,集水ピットの部分を除き地表面から4.5m以内であること。

(2) 集水ピット

 十分な強度を有し,かつ,水密性が確保されるものであること。

 吸管投入孔のおおむね直下に設けるものであること。

 一辺の長さ又は直径60cm以上で,かつ,深さが50cm以上であること。

 水槽本体との接合部は,漏水のおそれのない構造であること。

(3) 吸管投入孔

 頂版部に1又は2の吸管投入孔を設けるものとし,水槽本体の強度を損なわない位置とすること。

 原則として丸型とし,直径が60cm以上であること。

 吸管投入孔の開口部には,吸管投入孔蓋及び吸管投入孔蓋を受ける口環を設けるものとし,これらの材質は,必要な強度及び耐食性を有するもので蓋に盗難防止措置を講ずること。

 吸管投入孔の地表部と水槽本体を結ぶ連結立管を設ける場合には,鉄筋コンクリート製,鋼製,鋳鉄製,FRP製又はこれらと同等以上のものとし,水平方向荷重によって移動しないよう水槽本体に取り付けるものであること。

(4) 容量の算定は,集水ピット及び連結立管を含む吸管投入孔の容量を除き本体の容量を算定するものであること。

(5) 上載荷重,自重及び土かぶり荷重,土圧及び地下水圧,内水圧並びに浮力に対する強度を有し耐久性があること。

この場合の上載荷重は,Ⅱ型にあっては設置場所の状況に応じた自動車荷重(T―14からT―25荷重)を,Ⅰ型にあっては10キロニュートン毎平方メートルの荷重を,それぞれ考慮すること。

(6) 主要構造材料及び部材厚等

 コンクリートの設計基準強度(4週圧縮強度)は,材料の均質性,水密性,耐久性を考慮し,現場打ち防火水槽にあっては24N/mm2以上。二次製品防火水槽にあっては30N/mm2以上のものであること。

 鉄筋は,主鉄筋及び配力鉄筋は原則としてJISG3112に適合するSD295又はSD345を使用し,直径13mm以上の異形鉄筋を,Ⅰ型にあっては1,600kg以上,Ⅱ型にあっては2,000kg以上を使用するものであること。

 鋼材又は鋼板は,コンクリート被覆又は防錆処理が施されたものであること。

 FRPは,強化プラスチック用液状不飽和ポリエステル樹脂及びガラス繊維強化材を使用すること。

 頂版,側版,底版及び集水ピットの軀体の厚さは,現場打ち防火水槽のⅠ型にあっては20cm以上,Ⅱ型にあっては25cm以上とし,二次製品防火水槽のRC部材にあっては20cm以上,PC部材にあっては15cm以上,鋼製部材にあっては3.2mm以上,FRP部材にあっては4.5mm以上であること。

 給水及び排水又は吸水のための配管等が原則として底版又は側版部に設けられていないものであること。

 栗石等により,必要な基礎固めをしてあること。

 無蓋型の防火水槽にあっては,人命の危険防止等のために必要な柵等を設けること。

2 無底の防火水槽は,次の各号に掲げる要件に適合しなければならない。

(1) 鉄筋コンクリート造の地下式有蓋のものであること。

(2) 吸管投入孔は,原則として丸型とし,直径60cm以上であること。

(3) 吸水落差は,毎分1.35m3以上で30分以上の連続吸水を行った場合において,4.5m以下であること。

(4) 構造の主要部分は,次の各号に掲げる要件に適合しなければならない。

 底面部には厚さ30cm以上の栗石等を敷き詰めてあること。

 鉄筋は,直径9mm以上のものを800kg以上使用するものである。

 軀体のコンクリートの強度は,4週圧縮強度で18N/mm2以上とし,各面(吸管投入孔の部分を除く。)の厚さは,それぞれ20cm以上であること。

 吸管投入孔の蓋の部分については,必要な強度を有するものであること。

付 則

この訓令は,公布の日から施行する。

鹿島地方事務組合宅地開発事業の適正化に関する消防水利の審査基準

平成21年4月1日 消防本部訓令第44号

(平成21年4月1日施行)