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製造所及び一般取扱所の危険物を取り扱うタンクに関する運用について

消防危第29号
平成10年3月16日

各都道府県消防主管部長 殿

消防庁危険物規制課長

 

製造所及び一般取扱所の危険物を取り扱うタンクに関する運用について

 

危険物の規制に関する政令(昭和34年政令第306号。以下「令」という。)及び危険物の規制に関する規則(昭和34年総理府令第55号。以下「規則」という。)がそれぞれ改正され、製造所及び一般取扱所の危険物を取り扱うタンク(以下「20号タンク」という。)で屋外又は屋内にあるもののうちその容量が指定数量の5分の1未満のものについては令第9条第1項第20号の基準が適用されないこととされた。また、20号タンクのうち、特殊の構造又は設備を用いることにより当該タンク内の危険物の量が一定量以下に保たれ、当該一定量が令第5条第2項の規定の例により算出された量を超えることがないものについては、当該一定量をタンクの容量とすることとされた。
これらの改正後の政省令の運用に当たっては、下記1から4までの事項に留意され、その運用に遺憾のないようお願いする。
併せて、20号タンクの構造及び設備について、下記5のとおりその運用上の指針を定めたので執務上の参考とされたい。
おって、貴管下市町村に対してもこの旨示達され、よろしく御指導願いたい。

 

 

1.20号タンクの範囲について
今回の改正は、指定数量の5分の1未満の容量の屋外又は屋内にある20号タンクについて令第9条第1項第20号(令第19条において準用する場合を含む。以下同じ。)の規定の適用を除外するものであり、これにより「製造所及び一般取扱所の危険物を取り扱うタンクの範囲について(昭和58年3月9日付け消防危第21号各都道府県消防主管部長あて消防庁危険物規制課長通知)」に示されている20号タンクに該当するものの範囲が変更されるものではないこと。
なお、従前指定数量の5分の1以上の容量の危険物を取り扱うタンクについて令第9条第1項第20号の規定を適用しない等の運用を行っている市町村にあっては、このような運用がなされているタンクのうち現に存するものについては、当該タンクの本体に係る工事(水張試験又は水圧試験(以下「水張試験等」という。)を伴うものに限る。)が行われない限り、今後も当該運用を適用して差し支えないこと。

 
2. 容量が指定数量の5分の1未満の屋外又は屋内にある20号タンクの構造及び設備について
今回の改正により、容量が指定数量の5分の1未満の屋外又は屋内にある20号タンクの構造及び設備については、令第9条第1項第20号の基準が適用されないこととなるが、危険物を取り扱う設備に係る基準(例えば、令第9条第1項第13号等)は適用されるものであること。
 
3 20号タンクの指定数量の倍数が変更となった場合の取扱いについて
  (1) 容量が指定数量の5分の1未満の屋外又は屋内にある20号タンクが、当該タンクの本体の変更の工事に併せて危険物の品名変更等を行うことにより、指定数量の倍数が5分の1以上に変更される場合当該変更の工事が変更の許可の手続により行われる場合は、当該変更の許可から完成検査に至る手続を通じて、当該タンクの構造及び設備に関する技術基準への適合性を確認すること。
なお、当該タンクが完成検査前検査(設置者等が自主的に実施した水張試験等を含む。)により水張試験等に係る基準への適合性が確認されていない場合にあっては、次の手続により当該タンクの水張試験等に係る基準への適合性を併せて確認する必要があること。
  (2) 容量が指定数量の5分の1未満の屋外又は屋内にある20号タンクが、当該タンクの本体の工事を伴うことなく指定数量の倍数が5分の1以上に変更される場合当該変更が、当該タンクの本体に係る工事以外の工事に係る変更の許可の手続により行われる場合は、当該変更の許可及び完成検査の手続を通じ、当該タンクの構造及び設備に関する技術基準(水張試験等に係る基準を除く。以下同じ。)への適合性を確認すること。この場合において、当該タンクが完成検査前検査(設置者等が自主的に実施した水張試験等を含む。)により水張試験等に係る基準への適合性が確認されていないものである場合には、当該タンクについて水張試験等を実施し、その結果を完成検査時に併せて確認すること。
また、取り扱う危険物の品名のみが変更されること等により、20号タンクの容量が指定数量の5分の1以上に変更される場合には、当該タンクの構造及び設備に関する技術基準への適合性を資料提出により確認すること。この場合において、当該タンクが完成検査前検査(設置者等が自主的に実施した水張試験等を含む。)により水張試験等に係る基準への適合性が確認されていないものである場合には、当該タンクについて水張試験等を実施し、その結果を併せて確認すること。
    容量が指定数量以上に変更される場合
完成検査前検査の手続により当該タンクの水張試験等の基準への適合性を確認すること。
    容量が指定数量の5分の1以上指定数量未満に変更される場合
完成検査の際、設置者等が実施した水張試験等のデータをもとに、当該タンクの水張試験等の基準への適合性を確認すること。
   
4 特殊の構造又は設備を用いることにより危険物の量を一定量以下に保つことができる20号タンクについて令第5条の改正により、特殊の構造又は設備を用いることによりタンク内の危険物の量が一定量以下に保たれ、当該一定量が令第5条第2項の規定の例により算出された量を超えることがない 20号タンクについては、当該一定量をタンクの容量とすることとされたが、このことについては、次のことに留意し運用されたいこと。
  (1) 現にある製造所又は一般取扱所については、今回の改正に伴い改めて、消防法第11条第1項の規定による許可又は第11条の4第1項の規定による届出の手続を行う必要はないものであること。
  (2) 大量生産のタンク等、完成検査前検査を受検するときに当該タンクの容量が令第5条第2項又は第3項のいずれが適用されるか未定である場合には、完成検査前検査申請書(規則別記様式第13)及びタンク検査済証(規則別記様式第14)中の容量の欄に令第5条第2項の規定の例により算定されたタンクの容量を記載すること。なお、当該タンクの容量が同条第3項の規定の例により算定されるべきものであることが明らかになった場合、タンク検査済証に記載された容量と当該タンクの容量が異なることとなるが、このことにより改めて完成検査前検査を受ける必要はないものであること。
  (3) 令第5条第3項の「特殊の構造又は設備を用いることにより当該タンク内の危険物の量が当該タンクの内容積から空間容積を差し引いた容積を超えない一定量を超えることがない」20号タンクには、当該一定量以上の量の危険物が当該タンクに注入されるおそれがない構造を有するもの及び当該一定量以上の量の危険物が当該タンクに注入されることを防止することができる複数の構造又は設備を有するものが該当し、例えば別添図の20号タンクがこれに該当すること。
           
5 20号タンクの構造及び設備の基準に関する運用上の指針について
  (1) タンクへのサイトグラスの設置について
20号タンクは厚さ3.2mm以上の鋼板で造ることとされているが(令第9条第1項第20号において準用する令第11条第1項第4号の規定)、次のアからカまでに適合する場合には、令第23条の規定を適用し、タンクの一部にサイトグラスを設置して差し支えないこと。
    サイトグラスは、外部からの衝撃により容易に破損しない構造のものであること。構造の例としては、サイトグラスの外側に網、蓋等を設けることにより、サイトグラスが衝撃を直接受けない構造となっているもの、想定される外部からの衝撃に対して安全な強度を有する強化ガラス等が用いられているもの等があること。
    サイトグラスは、外部からの火災等の熱により破損しない構造のもの又は外部からの火災等の熱を受けにくい位置に設置されるものであること。構造等の例としては、サイトグラスの外側に使用時以外は閉鎖される蓋を設けるもの、サイトグラスをタンクの屋根板部分等に設置するもの等があること。
    サイトグラスの大きさは必要最小限のものであること。
    サイトグラス及びパッキン等の材質は、タンクで取り扱う危険物により侵されないものであること。
    サイトグラスの取付部は、サイトグラスの熱変位を吸収することができるものであること。構造の例としては、サイトグラスの両面にパッキン等を挟んでボルトにより取り付けるもの等があること。
    サイトグラスの取付部の漏れ又は変形に係る確認は、タンクの気相部に設けられるサイトグラスにあっては気密試験により、タンクの接液部に設けられるサイトグラスにあっては水張試験等により行われるものであること。
  (2) タンクの支柱の耐火性能について
屋外の20号タンクの支柱は、鉄筋コンクリート造、鉄骨コンクリート造その他これと同等以上の耐火性能を有するものとされているが(令第9条第1項第20号において準用する令第11条第1項第5号の規定)、製造プラント等にある20号タンクの支柱について、当該支柱の周囲で発生した火災を有効に消火することができる第三種の消火設備が設けられている場合には、令第23条の規定を適用し、当該規定の適用を免除して差し支えないこと。
 
  (3) タンクの放爆構造について
屋外の20号タンクはいわゆる放爆構造を確保することとされているが(令第9条第1項第20号において準用する令第11条第1項第6号の規定)、第二類又は第四類の危険物を取り扱う20号タンクについて、次のアからウまでに適合する場合には、令第23条の規定を適用し、当該規定の適用を免除して差し支えないこと。
 
    タンク内における取扱いは、危険物等の異常な化学反応等によりタンクの圧力が異常に上昇しえないものであること。
    タンクの気相部に不活性ガスが常時注入されている(不活性ガスの供給装置等が故障した場合においても気相部の不活性ガスの濃度が低下しないもの。)など、気相部で可燃性混合気体を形成しえない構造又は設備を有すること。
    フォームヘッド方式の第三種固定泡消火設備又は第三種水噴霧消火設備が有効に設置されているなど、タンクの周囲で火災が発生した場合においてタンクを冷却することができる設備が設けられていること。
  (4) 耐食性を有する鋼板で造られたタンクのさびどめ塗装について
20号タンクの外面にはさびどめのための塗装をすることとされているが(令第9条第1項第20号において準用する令第11条第1項第7号又は令第12条第1項第6号の規定)、ステンレス鋼板その他の耐食性を有する鋼板で造られたタンクについては、令第23条の規定を適用し、当該規定の適用を免除して差し支えないこと。
  (5) タンクの危険物の量を自動的に表示する装置について
20号タンクは危険物の量を自動的に表示する装置を設けることとされているが(令第9条第1項第20号において準用する令第11条第1項第9号又は令第12条第1項第8号の規定)、危険物が過剰に注入されることによる危険物の漏えいを防止することができる構造又は設備を有するタンクについては、令第23条の規定を適用し、当該規定の適用を免除して差し支えないこと。構造の例としては、別添図に示すもの等があること。
  (6) 0号防油堤の高さについて
屋外の20号タンクの防油堤(以下「20号防油堤」という。)については、高さを0.5m以上とすることとされているが(規則第13条の3第2項第2号において準用する規則第22条第2項第2号の規定)、製造プラント等にある20号タンクであって、当該タンクの側板から、下表のタンク容量の区分に応じそれぞれ同表に定める距離以上の距離を有する20号防油堤の部分については、令第23条の規定を適用し、高さを0.15m以上として差し支えないこと。

 

 

 

タンク容量

の区分

 10kl未満

 

 

 10kl以上

 50kl未満

 50kl以上

100kl未満

100kl以上

200kl未満

200kl以上

300kl未満

 

 

 

 

 

 距  離

   0.5m

   5.0m

   8.0m

  12.0m

  15.0m

 

 

  (7) 20号防油堤が設けられる場合の屋外の危険物取扱設備の周囲に設ける囲いについて
屋外の危険物取扱設備の周囲には高さ0.15m以上の囲いを設けることとされているが(令第9条第1項第12号)、当該設備の周囲に20号防油堤((6)により高さを0.15m以上としたものを含む。以下同じ。)が設けられるとともに次のア及びイに適合する場合、又は、当該設備が20号タンク(配管を含む。)に限られるとともにその周囲に20号防油堤が設けられている場合には、令第23条の規定を適用し、令第9条第1項第12号の規定の適用を免除して差し支えないこと。
    20号防油堤の内部の地盤面がコンクリートその他危険物が浸透しない材料で覆われていること。
    20号防油堤の内部の地盤面に適当な傾斜及びためますが設けられていること。
  (8) 20号防油堤に設ける水抜き口等について
20号防油堤には水抜き口及びこれを開閉する弁を設けることとされているが(規則第13条の3第2項第2号において準用する規則第22条第2項第13号の規定)、次のア及びイに適合する場合には、令第23条の規定を適用し、当該規定の適用を免除して差し支えないこと。
    20号防油堤の内部で、第四類の危険物(水に溶けないものに限る。)以外の危険物が取り扱われないものであること。
    20号防油堤内の20号タンクのうち、その容量が最大であるタンクの容量以上の危険物を分離する能力を有する油分離装置が設けられていること。
別添図
1 一定量以上の量の危険物が当該タンクに注入されるおそれがない構造を有する20号タンクの例
〔自然流下配管が設けられているもの〕
20号タンクに一定量以上の危険物が注入された場合、無弁の自然流下配管を通じて滞ることなく主タンク(供給元タンク)に危険物が返油され、20号タンクの最高液面が自然流下配管の設置位置を越えることのない構造のもの
  (例図)
無弁の自然流下配管

2 一定量以上の量の危険物が当該タンクに注入されることを防止することができる複数の構造又は設備を有する20号タンクの例
(1)液面感知センサーを複数設置し、各センサーから発せられる信号により一定量を超えて危険物が注入されることを防止するもの
〔危険物注入用ポンプを停止させる設備が複数設けられているもの〕
  (例図)
S1感知→ポンプ停止
S2感知→ポンプ停止+警報

〔危険物注入用ポンプを停止させる設備と主タンク(供給元タンク)の元弁を閉止する設備がそれぞれ設けられているもの〕
  (例図)   
S1感知→ポンプ停止
S2感知→元弁自動停止+警報

〔危険物注入用ポンプを停止させる設備と三方弁を制御することにより一定量以上の危険物の注入を防止する設備がそれぞれ設けられているもの〕
  (例図)
S1感知→ポンプ停止
S2感知→三方弁が分岐返油管方向に開+警報

(2)20号タンクへの注入量と当該タンクからの排出量をそれぞれ計算し、これらの量からタンク内にある危険物の量を算出し、算出量が一定以上となった場合にタンクへの注入ポンプを停止させる設備と液面センサーが発する信号により主タンク(供給元タンク)の元弁を閉止する設備がそれぞれ設けられているもの
  (例図)
F1及びF2の積算流量の差からポンプ停止
S1感知によりタンク元弁閉止

(3)20号タンクへの危険物の注入が当該タンクが空である場合にのみ行われるタンクで、タンクへの注入量を一定量以下に制御する設備と液面センサーが発する信号により主タンク(供給元タンク)の元弁を閉止する設備がそれぞれ設けられているもの
  (例図)
空タンクに注入時、Fにより積算流量計を検出
Fの故障等により過剰注入されたとき、S1が感知し、元弁を閉止

           
 
 
         
 

 
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